ハステロイの特徴

ハステロイとは、ニッケルを主体としてクロム、モリブデンなどを含有した合金となります。
鉄やクロム、モリブデンの含有量の違いにより、ハステロイB、ハステロイCなどと呼称が変わる材質です。

大きな特徴は2つあり、1つは耐食性の高さです。
通常であれば塗装やメッキが必要となる部品であっても高い耐食性を誇るハステロイを活用すればそれらの工程が不要となります。
特に酸に対しての耐性が高く、海中などの環境下でも耐食性を発揮する材質となります。

2つ目は耐熱性の高さです。
高温での環境でも強度が落ちることなく高い耐熱性を発揮します。
1000度での環境下でも強度を保ち続けるため、約500度までしか強度を保てないステンレス鋼と大きな違いとなっています。

ハステロイ活用事例

①化学系プラント
 化学系プラントでは酸に対しての耐性が高いため材質が求められます。
 そのため高い腐食性を誇るハステロイが活用されています。

②航空機関連
 ハステロイは高温の状況でも高い耐熱性を発揮するため航空機エンジン部品や機器関連に使用されています。
 特にエンジンのタービンなどで広く活用されています。

ハステロイ加工のポイント

ハステロイは耐熱性は高いものの、熱伝導率が悪いため切削工具への負担が大きくなります。そのため工具の選定、加工条件、および冷却についても最適化を図る必要があります。