インコネルの特徴

インコネルとは、ニッケルを主体として、鉄、クロム、モリブデンなどを添加したニッケル合金です。
それぞれの元素量などの違いによりインコネル600、インコネル625、インコネル718などに分類されます。

大きな特徴は2つあり、1つは耐熱性が高いことが挙げられます。
通常、耐熱性が高いとされるステンレス鋼が強度を保てる温度が約500度とされているのに対し、インコネルは約700度まで強度が保てるとされています。

2つ目の特徴は熱伝導率が悪いことが挙げられます。

通常、加工時に発生した熱は切り子や母材に対して発熱しますが、熱伝導率が悪いと加工時の熱が工具に集中してしまいます。
そのため加工が難しく、工具の摩耗や破損が発生しやすい材質となっています。

インコネル活用事例

①航空宇宙産業
　航空宇宙産業では軽量化が図られた材質と同時に、高い耐熱強度を持つ材質が必要とされます。そのためインコネルは航空宇宙用精密部品として広く活用されています。

②プラント産業
　高い耐熱性も持つことからプラント産業でも広く活用されています。各種プラントや焼却炉など、耐熱性が求められる部材に必要とされているものになります。

インコネル加工のポイント

インコネルは熱伝導率が悪く、切削工具に大きな負荷がかかりやすい材質になります。
そのため適切な工具の選定や最適な加工条件にて加工を行うことが重要です。