SUS303の特徴


SUS303は、ステンレス鋼の1種です。以下にSUS303の主な特徴をいくつか紹介いたします。

SUS303には大きな特徴が2つあり、1つ目が耐食性が高いことが挙げられます。
特に酸性が高い環境に優位性があり、多くの産業機器や医療関連の設備や部品などに使用されることが多くございます。

耐食性を利用した製品例

①産業機器
 高い耐食性がもとめられる産業機器に多く、SUS303は使用されております。
例えば半導体装置内部の機械部品やハンドリングシステムの一部にSUS303が使用されることがあります。

②医療機器
 医療機器はその使用特性から高い耐食性が求められております。
外科用器具、歯科用器具、注射器の針、血液検査装置など、高い耐食性と加工性が要求される医療用途にSUS303は多く使用されております。

③食品機器
 食品加工機器や食品容器の製造にも多く使用されております。食品との接触において他業界より安全性が高いレベルで求められるため、耐食性(衛生性)が材料選定の上で重要な要素となります。


もうひとつの特徴としては、切削加工性の高さが挙げられます。
その他のステンレス鋼と比較して、硬さや耐摩耗性にはやや劣りますが、切削や旋盤加工などの精密加工に適しています。

切削加工性を利用した製品例

①自動車部品
 SUS303は、その切削加工性が高いことから自動車の様々な部品に使用されます。例えば、シャフト、スクリュー、ボルト、ナット、バルブ、燃料噴射部品などに適しています。

②電子機器
 電子機器や精密機器の部品にも広く使用されます。コネクタ、端子、スイッチ、ギア、ピン、スプリングなど、高い加工性が求められる部品にはSUS303が選定されることが多くあります。

SUS303のマシニング加工のポイント

SUS303は切削加工性に優れていますが、硬度がやや低いため、適切な切削条件を設定する必要があります。そのため、適切な切削速度、送り速度、切削深さを選択するなどの高い条件出しが求められます。また、切削時には冷却剤(切削液)を使用・適切な調整をすることで、摩擦熱を抑え、加工品質を向上させることができます。