<目次>

チタン・純チタンとは?材質と用途

タングステン・純タングステンとは?材質と用途

三翔精工だからできる難削材の切削加工

純チタン・純タングステンの加工事例

純チタン・純タングステンの切削加工なら三当社まで!


チタン・純チタンとは?材質と用途

 ここでは、チタンと純チタンの材質と特徴について解説いたします。

チタンとは?4つの特徴

 チタン(英:Titanium)は、原子番号22の元素で、切削加工が難しい、いわゆる難削材に分類される金属材料になります。優れた強度と軽さを併せ持つチタンが工業用の材料として広く使われるようになったのは戦後のことです。

 チタンの特徴は4つあります。

①強度

 まず一番の特徴はその強度で、アルミニウムのおよそ3倍、そして鉄のおよそ2倍です。

②軽さ

 そして、比重4.51で鉄の約60%(鉄の比重は7.85)、銅のわずか半分という軽さが2番目の特徴です。比重に対する強度ですと、SUS304等に代表されるステンレスよりも相対的に高くなります。すなわち、ステンレスのような強度は欲しいが、なるべく部品を軽量化したいという場合にはチタンへの材質変更が有効であるということになります。

③耐食性

 3番目は、耐食性に優れている点です。例えば、一般に錆びに強い印象のあるステンレス鋼ですが、海水に晒されると腐食しやすくなります。ふつうの鋼鉄ならなおさらです。しかし、チタンは耐食性(防錆性)に優れているため腐食しにくく、それを利用して海水淡水化装置部品や深海艇の外壁などに使われています。この理由は、チタンが酸素と反応すると表面に薄い酸化被膜(不動態被膜)を形成して内部を保護する役割を果たすためです。

④生体適合性

 4つ目は、「生体適合性」です。生体適合性という言葉はあまり聞きなれないかもしれませんが、要は人間の身体が拒絶反応を起こしにくいか否かという性質のことです。皆さんの周りで金属アレルギーの方はいないでしょうか。金属アレルギーを起こしやすい材料として特に有名なのはニッケルですが、その他パラジウムや銅も起こりやすいと言われています。そもそも金属アレルギーというのは、汗と金属が反応してイオン化することにより皮膚がかぶれるという症状ですが、チタンはイオン化しにくいために金属アレルギーを起こしにくく、生体適合性が高いと言えます。この性質を利用して、ペースメーカーやインプラント、人工骨など医療機器部品に多く採用されています。

 その他、チタンは高強度かつ軽量であるという特徴を生かして、自動車や航空宇宙、スポーツ用品、民生品など幅広い場面で使われています。このように機械的性質に非常に優れたチタンですが、コストが高い、そして切削が難しい難削材であるという欠点もあります。

純チタンとは?

 チタンの中でも純度が100%に近い「純チタン」は、JIS規格においてOやFeの僅かな含有量の違いによって1種~4種まで4つに分類されています。最も一般的に使用されているのが純チタン2種材で、強度と切削性のバランスに優れています。

 純チタンは、実はチタン合金よりも安価であり、そのため国内においては合金より広く流通しています。純度が上がればそれだけ加工しやすくもなりますが、あくまで難削材のためいずれにしろチタンの加工には高い技術が求められます。

タングステン・純タングステンとは?材質と用途

 次に、タングステンと純タングステンについてご紹介します。

タングステンとは?3つの特徴

 原子番号74・元素記号Wのタングステン(英:Tungsten)は、スウェーデン語で”重い石”を意味する通り、金に匹敵するほどの重さを持つとともに、その高い硬度から難削材に位置します。そのことから、金メッキを施し金に偽造されることもあります。

 タングステンの特徴は3つあります。

①耐熱性

 タングステンの融点は約3,600℃と、金属材料の中で最高の融点を誇ります。鉄が1,500℃程度で溶けてしまうのを考えると非常に耐熱性が高いことが分かります。

②硬度

 世界で最も硬度の高い物質はダイヤモンドですが、硬度を表す「モース硬度」ではダイヤモンドが10であるのに対し、タングステンはそれに次ぐ硬度9です。また、炭素と結びつくとさらに硬度が増します。この硬度の高さと優れた耐熱性から、タングステンは切削工具の材料として使われることが多いです。正確にはタングステン合金で、鉄との合金である高速度鋼(ハイス鋼)、コバルトやニッケルとの合金である超硬合金などが有名です。

③重さ

 前述の通り、タングステンは比重が大変大きく、金属材料の中で最も重い金が比重19.32で、タングステンは19.30です。アルミが2.71、鉄が7.85というとタングステンがいかに重いかイメージいただけるでしょうか。その重さから、戦車や装甲車の甲板など軍事用にも使用されています。

純タングステンとは?

 純タングステンは、純チタンと同様に純度の高いタングステンのことを指し、高速度鋼や超硬合金などに比べると比較的柔らかく、若干切削性が上がります。ただ、それでもモース硬度9の金属ですから、簡単には切削できません。旋盤やマシニングセンタで削り出す際には、工具の送り速度や切り込み量、工具の材質など加工条件には細心の注意を払う必要があります。

三翔精工だからできる難削材の切削加工

 「精密マシニング加工 量産センター.com」を運営する株式会社三翔精工は、鹿児島県霧島市に生産拠点を置く切削加工メーカーです。マシニングセンタを用いた精密加工技術×難削材加工技術×量産加工技術の3つの技術と、徹底した品質保証体制により、高品質が求められる半導体製造装置や医療機器、電子機器などの業界のお客様から長年ご支持いただいております。

 当社では、ステンレスはもちろん、純チタン・純タングステン・コバール・インコネル・ハステロイ・モリブデンなどの難削材について豊富な製作実績と加工ノウハウを持っております。これまで難削材の精密部品や難削材の量産品など、お客様のご要望に応じて高付加価値・高品質の製品を加工してきました。

純チタン・純タングステンの加工事例

 当社の純チタン・純タングステンの加工事例をご紹介いたします。

医療機器用部品

こちらは医療機器用部品の加工事例です。下記の通りの加工精度を実現しております。

・高精度精密金属加工部品(加工精度:±0.01)
・平面度/平行度(0.03)

純チタン・純タングステンの切削加工なら三翔精工まで!

 当社は、純チタン・純タングステンの切削加工における豊富な実績がございます。その他、コバールやインコネル、ハステロイなどの難削材加工、半導体・電子部品等の高品質な精密マシニング加工、月産1,000~20,000個の量産加工を行っております。

 純チタンや純タングステンの切削加工についてお困りの方は、お気軽にご相談ください。