切削加工の種類

切削加工とは、刃物で金属や樹脂を削り出し、目的の形状に成形することを言います。

切削加工には、大きく2つに分けて、加工する工作物を固定して工具を回転させる「転削」と、工作物を回転させる「旋削」とがあります。

転削の代表が「フライス加工」、旋削の代表が「旋盤加工」です。

転削加工は、汎用フライス盤、NCフライス盤、マシニングセンタを用いて、加工が行われます。

旋盤加工は、汎用旋盤、NC旋盤が用いられます。

マシニング加工の特徴

マシニングセンタを使った加工は、角物の切削加工に向いています。

また、マシニングセンタの特徴は、コンピュータ制御による「工具自動交換機能」を備えている点にあります。一般的にNC工作機は作業者が工具を交換するのに対して、マシニングセンタは「ツールマガジン」と呼ばれる工具収納場所から、「チェンジアーム」によって自動で工具を交換し、加工を行います。そのため、段取り替えの手間を省くことができ、製造時の無人化と省力化、コスト削減を可能にしています。

近年は、縦、横、高さの3軸での加工に加えて、回転運動を行う2軸を足した「5軸マシニングセンタ」が登場し、より複雑な形状の加工ができるようになっています。

マシニングセンタの種類

マシニングセンタには、大きく分けて

・立型マシニングセンタ

・横型マシニングセンタ

・門型マシニングセンタ

の3つがあります。

①立型マシニングセンタ

立形マシニングセンタは、主軸(刃物の回転軸)が垂直方向に付いていて、加工物を上から加工する構造となっています。

立型マシニングセンタでは、X・Y・Z軸の3軸加工が基本となります。

機械がコンパクトで、設置面積も少ないため、導入しやすく、幅広く普及しているマシニングセンタです。

◎金型加工や小ロット品の加工に向く

立型マシニングセンタでは、ワークを上から加工するため、上面加工の多い、金型加工に向いています。

◎加工内容がわかりやすい

立型マシニングセンタでは、「図面」と「ワーク」の向きが同じため、加工内容が直感的にわかりやすいという特長があります。

△切粉がたまりやすい

上から加工を行う立型マシニングセンタは、切粉の排出性が低いという側面があります。そのため、圧縮空気の吹きつけや切削油での洗い流しで随時、取り除く必要があります。

②横型マシニングセンタ

横形マシニングセンタは、刃物の回転軸が横向きに出ていて、加工物を水平方向に加工していきます。

主軸がY軸方向、テーブルがX・Z軸方向に動き、さらにインデックステーブルがB軸に回転することで4軸制御が可能です。

横型マシニングセンタは、APC(自動パレット交換:Automatic Pallet Changer)による連続加工が可能で、長時間の無人稼働による大量生産に向いています。

◎複数同時加工が可能

4軸を活用することで、4面加工が可能となるため、多面イケールを使用した複数同時加工が可能となり、生産性が向上します。

◎高精度な加工が可能

横型マシニングセンタでは、4面加工が可能なため、ワークの加工に段取り換えが少なく済み、位置ずれを防ぐことができるため、精度高く加工を施すことが可能です。また、切粉が下に落ちるため、切粉によるトラブルのリスクが低い事も特長として挙げられます。

△クーラントが加工面に届きにくい

△重いワークには向かない

③門型マシニングセンタ

門形マシニングセンタは、主軸が地面に対して縦向きに取り付けられており、主軸を支えている構造が門の形をしています。

門形マシニングセンタは、X・Y・Zの3軸制御で、テーブルがX軸方向に、門を通り抜けるように動きます。

そのため、門型マシニングセンタは、テーブルの長さを制限なく長くすることができ、航空機や船舶のような大型の部品を加工するのに向いています。

また、アタッチメントを活用することで5面加工も可能となります。

5軸マシニングセンタ

5軸マシニングセンタでは、マシニングセンタの3軸(X/Y/Z)に、「回転」と「傾斜」の2軸を加え、5軸制御を可能としたマシニングセンタです。

5軸マシニングセンタは、加工面の多い金型などの部品加工の生産性向上や、滑らかな曲面成形が可能です。

◎段取り替えが少なく済む

5軸加工では、1回の段取りで、多面の加工ができるため、位置ズレがなく、加工精度の低下を防ぐことができます。また、段取り時間を大幅に短縮することにもつながります。

◎加工効率が良い

5軸マシニングセンタでは、工具をワークに対し、斜めにあてることが可能なため、周速ゼロの部分で切削を行わずに、加工効率を向上させることが可能になります。

当社の加工事例

当社の加工事例の一部をご紹介します。

半導体製造装置用アルミ製ブラケット

半導体製造装置用アルミ製ブラケット_表

本部品では、底面部の平行度を維持するため、底面だけの加工を行う工程を設けております。加えて、別工程でも、底面の平行度を維持するための工夫をして加工をおります。

>>詳しくはこちら

工作機械用SUS製位置決め治具

工作機械用SUS製位置決め治具

本部品の溝のザグリ部分は、直角度0.03と厳しい数値を求められておりましたが、切削条件を工夫することで、加工精度を満たしつつ、要求された直角度を維持しております。

>>詳しくはこちら

マシニング加工のことなら三翔精工まで!

精密マシニング加工 量産センター.comを運営する三翔精工は、半導体製造装置や通信機器など精密産業部品の製作を行なってきました。当社のマシニング加工技術と24時間の生産体制により、精密加工部品の量産を得意としています。全数の外観検査により品質保証も徹底しております。

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