SUS304の特徴

SUS304とは、オーステナイト系ステンレス鋼の一種で、非常に多くの産業分野で使用されているステンレス鋼の一つです。
他のステンレス鋼と比較した際に主な特徴は5つあり、「耐食性」「溶接性」「成形性」「耐熱性」「耐摩耗性」が挙げられます。

①耐食性
 SUS304は、大気や水、酸化剤などの多くの環境下で優れた耐食性を示します。そのため、食品加工業や建築業、化学プロセス業など幅広い産業で使用されています。

②溶接性
  SUS304は、溶接性に優れており、溶接による強度低下が少ないため、構造物や装置の製作に適しています。

③成形性
 SUS304は、熱間および冷間加工に適した成形性があり、曲げやプレス加工が容易に行えます。これにより、さまざまな形状の部品や製品が作れます。

④耐熱性
 SUS304は、一般的な使用温度範囲内での耐熱性が良好であり、約870℃までの耐熱性があります。また、銅やアルミニウムに比べると熱伝導性が低いものの、鋼材としては比較的高い熱伝導性を持っているため、熱交換器などの熱伝導に関わる機器に使用されることが多くあります。

⑤耐磨耗性
  SUS304は、耐磨耗性が比較的高く、摩擦や摩耗に対する耐久性があります。

これらの特徴から、SUS304は食品加工機器、キッチン用品、建築資材、薬品や化学プロセス業、自動車部品など幅広い分野で利用されています。

SUS304のマシニング加工のポイント

SUS304は上記にあるようにオーステナイト系ステンレス鋼の中で高い加工性を持っております。加工硬化しやすい特性もありますが、適切な切削速度や冷却剤の使用で加工硬化を抑制し、切削性を向上させることも可能です。
また、比較的やわらかい素材ではありますが、適切な切削条件を選ぶことで仕上がり面の品質を向上させることもできます。

SUS304のマシニング加工において、適切な切削条件を選ぶことが最も重要です。切削速度を低くし、送り速度を速くすることに加えて、適切な冷却剤を使用することで、切削温度の上昇を抑え、切削性を改善・向上することができます。