バイス治具(マシンバイス)とは

マシニング加工におけるバイス治具(マシンバイス)とは、加工対象物が加工時に動かないようにマシニングのテーブル上で固定するためのツールとなります。製品形状によってバイス治具が活用されます。

マシンバイス

マシニング加工でのバイス治具の役割

バイス治具(マシンバイス)の役割としては、ワークの固定、形状によって最適な固定を行う、など多岐にわたっています。
一つのバイス治具で様々なサイズに対応できるように口金を利用する方法も一般的です。その場合は幅広いサイズに対応するため形状やサイズに応じた口金を用意する必要があります。

マシニング加工でのバイス治具を選定するポイント

バイス治具の選定時は以下の点に注意する必要があります。

ワークサイズに合わせて選定

そもそもマシンバイスはワークを保持するためであるので、ワークサイズに合わせたものを選定する必要があります。加工するワークのどの部分をバイス治具でクランプするのかも合わせて検討する必要があります。

口金も合わせて用意

バイスを利用する際は口金も同時に用意する必要があります。ワークが複数種類ある場合にはそれぞれに合わせた口金が必要となりますので、バイスを合わせて用意することが重要です。特に市販されているものは平面で受けるものが多いため、形状に合わせた追加工などは自社で行う必要があります。

マシニング加工でのバイス治具でよくあるトラブル

マシニングでの切削加工時に、バイス治具に関連したトラブルとして以下が挙げられます。

バイス治具(マシンバイス)の劣化による精度不良

マシニングでの加工でバイス治具を活用し続けることで摩耗が発生するため定期的なメンテナンスが必要となります。特に面の水平・垂直・直角などは定期的に測定を行う必要があり、精度に不備があればメンテナンスを行い精度を出し直さなくてはいけません。

口金が合わずワークが外れる

バイス治具で加工ワークをクランプする際の口金について、サイズや形状があっておらず加工途中に外れてしまう可能性があります。こうなると治具でクランプをしていてもワークが動いてしまうため注意が必要です。口金自体が小さいものであるため固定する面積が小さくなる分、形状などを合わせてクランプをしっかりと行う必要があります。

当社のバイス治具選定・製作のポイント

当社では、マシニングでの加工時に必要となるバイス治具の選定・製作において以下の点に注意しています。

ワークに合わせて選定

加工するワークがある際はその形状や加工方法に合わせて治具を製作しています。要求精度によって治具の影響が出やすいため、ワークの仕様に合わせて製作を行っています。

口金の設計・製作

ワークの形状やサイズに合わせて最適な口金を準備することが重要です。そのためワークの仕様によって製作を行っています。面の大きいものなどは共通化しており効率化を測っていますが面が小さくなるものなどは経験や実績に基づいて最適な口金を用意して加工を行っています。

事例

工作機械用位置決め治具

工作機械用位置決め治具_1

こちらは、金型同士のズレを防ぐための位置決め治具として使用されています。材質は、SUS304で、マシニングセンタにより3軸加工を施し、製作を行いました。こちらの製品は板厚が薄いうえで、加工精度±0.03・面粗度1.6a・位置度0.05の精度が求められておりましたが、3軸加工機を用いることにより、 要求された通り加工を実現しております。

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半導体製造装置用熱処理治具

半導体製造装置用熱処理治具_表

こちらは半導体製造装置用の熱処理治具の量産加工事例です。製品上のスリットに部品を設置し、リフロー炉へ投入する為の治具として使用されています。リフロー炉内での不具合を防ぐためにも平面度/平行度0.05を満たす必要があります。材質には錆びや腐食に強く、耐熱性と強度に優れたSUS304を使用しております。本製品の加工にあたり、加工精度±0.1、面粗度1.6a といった精度も求められておりましたが、3軸加工機を使用することにより、 要求通りの精度を実現しております。

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バイス治具(マシンバイス)でお困りの方は三翔精工にお任せ

精密マシニング加工 量産センター.comを運営する三翔精工は、自社にてバイス治具の製作を行なってきました。

非鉄や複雑形状の加工が治具を用いることで可能となるため、難削材と言われるアルミニウムやコバール、インコネル、ハステロイの精密加工を得意とし、難度の高い純タングステンなども加工の実績を増やしてきました。
培ってきた精密加工技術を活かした当社の加工品は、高精度な要求にお応えしており、広い分野で採用されています。

またそのような難削材の加工を当社のマシニング加工技術と24時間の生産体制により、量産対応が可能です。更に全数の外観検査により品質保証も徹底しております。

数十ミクロン以下の加工においては、加工設備だけでなくノウハウ・知見、技術、高品質が必須となりますが、当社は創業以来、精密加工に特化し事業を行い、さらに徹底した研究により、森精機・切削加工ドリームコンテストで金賞を受賞するほどの技術力を保有しております。

マシニング加工時のバイス治具製作でお悩みなら、ぜひ当社までお問い合わせください。